先日、さまざまな価値観を認めモテようという記事を書きましたが、今日はそれに関連して、機会があると友人におすすめしているこちらの本をご紹介します。
興味深いトピック < 一部 >
- 桃文化のアメリカ、ココナッツ文化の日本とは?
- ハイコンテクスト、ローコンテクストな文化の違いとは?
- フランス語は英語よりもはるかにハイコンテクスト。英語はフランス語の7倍も単語数がある (50万と7万)
- アメリカ人がドイツに行って驚く思考法の違いとは?
- 平等主義的なスカンジナビア諸国ではエグゼクティブが自転車通勤することは一般的だが、中国では上司が自転車で通勤すると恥だと思ってしまう。
私の付箋
アメリカやブラジルといった『桃文化』では、会ったばかりの相手に親しく(柔らかく)接することが多い。初対面の相手に笑顔を絶やさず、すぐファーストネームで呼び始め、自分自身の情報を開示して、ほとんど知らない相手に個人的な質問をする。しか桃物型の人としばらく友好的なやりとりを続けていると、突然硬い種にぶつかる時がある。桃型の人が本当の自分を守っている部分だ。こうした文化圏では、友好的であることは必ずしも友情とイコールではない。
効果的なコミュニケーターになるための能力は、文化によって劇的に異なる。アメリカやその他アングロサクソン文化圏では、人々はできるだけ文字通りかつ曖昧さのないコミュニケーションをするように (ほとんど無意識のレベルで) 訓練されている。良いコミュニケーションとは何より明確で曖昧さのないもののことであって、メッセージを正確に伝えることがコミュニケーターの責任として重要視されている。「聞き手が理解できないのは、話し手のせい」なのだ。
対照的に、アジア文化圏では、メッセージをほのめかして伝えること、つまり聞く側に行間を読むことが求められる場合がしばしばある。良いコミュニケーションとは繊細で、多層的で、ときに言外の様々な意味に左右されるもののことであり、メッセージを伝える責任はメッセージを送る側と受け取る側の両者で共有される。
ヴァイキングが驚くほど平等主義的だったことはあまり知られていないのではないだろうか。アイスランドに定住するにあたり、彼らは世界で最も初期の民主主義を取り入れたのである。地域の全員が会議所に招かれ、その時々の話題に対して徹底的に議論し、その後で投票を行い、各人の意見が同じ重みを持って扱われる。ヴァイキングに大きく影響を受けている国々は、現在でも常に世界で最も平等主義的で合意思考を持つぶんかの一つに数えられる。だからこそ、今日でも、コペンハーゲンやストックホルムの会議室に足を踏み入れて、上司が誰なのかわからないときがよくあったとしても不思議ではない。
中国人は日本人が決断が遅く、柔軟性に欠け、変化を好まないと不満を言います。日本人は中国人がよく考えもせず、性急な決断をし、混乱を増長させると不満を言います。
大切なのは、価値観や働き方の違いについて考え、話し始めることです。金魚が水のなかにいることを意識していないように、人間も相手と比較しない限り自分の文化を認識するのは難しいのです。
エリン・メイヤー『異文化理解力』
<英語版>
The Culture Map : Decoding How People Think, Lead, and Get Things Done Across Cultures