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ミネソタで起きた ジョージ・フロイドさんの事件

テレワークのおかげで スローライフが実現したという相当のんきな記事を投稿した私、そんなのんきな事言ってていいのか!? という気持ちになっててきまして。このブログの趣旨とはそれますが、私の住むミネソタで起きた、ジョージフロイドさんの悲しい事件について今日は書きたいと思います。事件のあったサウス・ミネアポリスには何度も行ったことがあるし、フロイドさんの以前住んでいたセントルイスパークに、私も以前住んでいたことがありました。暴動が起きた地域から遠くない場所に住んで安全面で不安を抱えているいる友人達もいます。他人事ではありません。
 
目次

 

1分で読める事件のまとめ

 
2020年5月25日にミネアポリス近郊で、偽札使用の容疑で警察官に手錠をかけられたフロイドさんは、首を警察官の膝で強く押さえつけられ窒息により死亡しました。警察官は白人のデレク・ショーバン。デレク・ショーバンは以前18件もの苦情申し立てを受けており、過去に3回、マイノリティに対する銃撃事件にも関与していたそうです。フロイドさんとショーバンは以前同じナイトクラブで警備員として働いていたことがあり、マネージャーだったフロイドさんがショーバンを解雇した経緯があったことが後に報道され、ショーバンが個人的な怨恨を職権乱用で晴らした疑惑も持ち上がっています。    
 
数百名単位のデモや集会が翌日からミネアポリスで行われ、日が経つにつれ他州からも抗議活動への参加者が集まり、大規模なものに。やがて一部の群集が警察の建物を襲撃したり、街の商店などを破壊しはじめました。
 
 

私とまわりのアメリカ人の反応

 
「これは本当に残念な事件だし、人種差別はなくすべき、でもデモが暴徒化して略奪や放火、破壊にまで及ぶのは理解できない。悲しすぎる。」これが私も含めて、会社の同僚など大多数の良心的な人たちの反応でした。
 
こちらの記事に、ミネソタン (ミネソタに住む人々) の苦悩がよく表れています。

www.newsweekjapan.jp

 
破壊によってお店が壊され、荒れた地域の商店街やスーパーはその週、お店をクローズした所が多かったのですが、その影響で食糧品の買い物ができず困っている人たちがいることを配慮し、食料品の寄付なども行う善意の行動もあちこちで見られました。
 
 
 

私の素朴な疑問と願い

 
1) そもそも公共のサービスの質を改善してほしい
 
ミネアポリスは運転免許の免許センターとか、社会保険所などの州の公共サービスの質があまり良くない。と言うか、他の国と比べて非常に悪い。係官が威張ってて感じが悪い人が多い上に、効率が悪いしミスも多い。公共サービスで働いてる職員の教育ができていないのは明らか。ここは本当に先進国なのかと疑いたくなるほど。
 
明らかに白人と有色人種で態度を変えるような係官にも何度か遭遇したことがあります。また、単に誰に対しても威張っているだけだったとしても、たまたま来訪者が有色人種だったら「自分が有色人種だから不親切なのかな?」誤解されるかもしれない。
 
私は警察署には行った事がないのですが、州警察も公共サービスの一部であること、また今回の事件から、やはり職員教育が徹底しているとは考えにくい。すごく親切な職員もいらっしゃる一方、モラルの低い職員もいて、それは個人差にかかっていて、個人差を職員教育がカバーするレベルには全く到達していないと思われます。印象、私見なんすけどね。
 
ミネソタ州知事が、事件後 記者会見で、警察組織の改革に取り組むと発表した事は希望が持てます。合わせて他の公共サービスの質向上にも取り組んでもらいたいです。
 
 
2) なぜ Black Lives Matter というスローガンで People of Color (有色人種) 全体の運動とならないのか? 
 
人種差別は違法行為だしなくすべきだけど、なぜ今回 黒人への差別をなくす運動だけが中心となっているのか? 人種差別が、と言いだしたら、アメリカにおいては、ヒスパニック系やイスラム系の方が肩身が狭い思いをする事が多い気がする。
 
という疑問を友人(白人)にぶつけたところ、「アメリカは奴隷制度があったから、問題が深い」とのこと。
友人の父親の世代では、平気で差別用語を使っていたのを子供の頃耳にしたとのこと。 全ての差別は違憲とされてからきちんと教育を受けてきた 自分達の世代、40代 〜 50代で差別意識を持っている人は少ないけれど、残念ながら教育程度やモラルが低いなどなんらかの理由で親の世代の差別的価値観をそのまま引きずっている層も一定数いると思われる。
 
移民としてやってきた、ヒスパニック系、イスラム系、アジア系と違って、もともと奴隷として黒人を強制的に連れてきた歴史をアメリカは背負っているのだ、と。
 
あと、ショーバン容疑者と一緒にいて逮捕された4人の警官のうち一人が、モン族というアジア系だったことで、モン族系またはアジア系にひそかに反感を持った人もいたはずで、加害者側にアジア系がいたことで、有色人種全体の権利に関する運動には心理的にしにくかった、というのもあるんじゃないかと私は思っています。
 
 
 
 
3) 黒人で成功している人もまわりに沢山いるのも事実、でも
 
友人弁 ===> 表面的には見えないけれど、ガラスの壁のように見えない壁が、社会のあらゆるところに無数にある。もちろんそれは黒人だけじゃなくて、女性の昇進の壁だったり、ヒスパニック系、イスラム系、アジア系、ネイティブ・アメリカンなど白人以外の人種への偏見や壁だったり、LGBTへの理解の問題だったり沢山あるわけだけど。
 
つまり、法の上では平等でも、ガラスの壁がたくさんあるということですね。
 
また、成功している人も沢山いる反面、貧困レベルの割合が有色人種が高いという実状。
 
国勢調査(2018)によると、アメリカにける人種別の貧困率は以下の通り。黒人の貧困率はなんと 20%。

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5人に1人が貧困、ってめちゃ多いです。しかも、統計ではかれた範囲で20%なので、国勢調査に回答しない人も多い事を考えると、もっと多いかもしれない。アメリカの国勢調査の解答率は60%ほどらしいので、もし100%解答だった場合、貧困は上がるかもしれない。貧困な人ほどより回答しない率が上がる可能性があるので。少なくとも、統計からは、黒人の貧困率が白人の倍というのは読み取れます。
 
それは教育や雇用の機会の不均等が原因のひとつなので、教育制度の充実や Affirmative action の拡大が今後の動きになっていくと思われます。ですが、私個人の印象としては、教育制度の充実って、すごく大きな課題だと思います。公立の学校は、今回の事件が起きたサウス・ミネアポリスでは学校のレーティングが低く、そういう地域は同時に有色人種の居住率も高く、そういった地域の学校の教育レベルを上げるには、国と州、コミュニティによる相当な努力が求められると思います。オバマ政権時代は教育改革を旗印にしていましたが、今の政権になって進んでいない状況です。
 
 

What's Next? = 自身の心の中にある差別意識に注意

 
私は差別意識は持ってないと自分では思っていますが、ちょっとしたきっかけでやってしまいがちな、「過大な一般化は差別意識に繋がるので要注意」というのを心のいましめにしています。
 
一般化とは、単数または複数の事例から普遍的な概念を引き出すことです。私が過去によくやってしまった事なのですが、約束の時間に遅れる人が何人かいて、それが特定の人種だった場合、つい「〇〇人って約束の時間を守らないよねー」と言ってしまうこと。少ないサンプル数の中で、それは事実だったとしても、約束の時間を守る〇〇人もいるのも事実なので、過大な一般化は〇〇人にとっては大迷惑、名誉毀損。
 
一般化が悪い事とは言いません。生活の知恵となり、次回時間に遅れそうな人が出そうな状況に必要な段取りを考えるとか、プラスに働くこともあると思います。でも、一般化したステートメントは心の中にしまっておかねばなりません。
 
私は次のような場面をミネアポリスで見たことがあります。バス停でバス待ちをしていたとき、黒人男性が白人女性に話しかけようとしていて、彼が何か言う前に彼女が「No!」ときっぱり言ったため、黒人男性が「私の何に対して Noなの?」と聞いたところ「どうせ、小銭を分けて、って言おうとしたんでしょ?」と彼女は答え、それに対して「道を聞こうとしただけなのに、いきなり Noってなんなんだ!」と憤がいしていました。
 
彼女の「どうせ・・・」というのが過大な一般化。彼女はもしかすると何回もバス待ちしていたとき小銭を持ってないか聞かれたことがあってうんざりしていたのかもしれませんが (私もミネアポリスのダウンタウンでは小銭を持ってないか聞かれた経験は無数にあります) 。それでも、目の前に今いる人が、同じ事を言うかどうかはわかりません。先に決めつけてそれを態度に出すか口にしたとき、相手の気持ちを傷つけてしまうのです。